クイックスタート¶
2026-08-09 時点の英語版に対応。最新の情報は English documentation を参照してください。
アドオンの UI は英語です。 このページではボタン名を英語のまま書き、必要に応じて 意味を補足します。画面に出ている文字とこのページの表記は一致します。
インストールから、STEP ファイルとして書き出すところまでを一通り扱います。 所要時間はおよそ10分です。
Seamless CAD はベータ版で、販売しているのは Windows 版です。このページの内容は macOS / Linux の テストビルド にもそのまま当てはまります (アドオン本体は同じものです)。
1. インストール¶
- Blender で
Edit > Preferences > Add-ons > Install...を開く CAD_<バージョン>_install.zipを選ぶ- アドオンを有効化する
- 3D ビューポートで N を押してサイドバーを開く。Seamless タブが出ます
Blender 4.2 以降が必要です。開発と動作確認は 5.1 で行っています。
2. セッションを開始する¶
Seamless タブを開きます。まだ何も無い状態では、ボタンが1つだけ表示されます。
- Start Seamless CAD
これを押すと、形状計算のカーネルが起動し、最初の CAD パーツが作られます。
内部で何が起きているか: 形状は Blender のメッシュ機能ではなく、別プロセスの OpenCASCADE (OCCT) が計算し、その結果を Blender が描画しています。アドオンが 実行ファイルを同梱しているのも、最初の起動に少し時間がかかるのも、この構造の ためです。
3. ワークスペースの考え方¶
Active CAD Workspace(作業中の CAD パーツ)パネルで、どのパーツを編集して いるかを切り替えます。
- ドロップダウンで、対象のパーツコレクションを選ぶ
- Add New CAD Part で、独立した別のパーツを追加する
- ゴミ箱アイコンで、現在のパーツを削除する
以降のパネルの操作は、すべて選択中のパーツにだけ効きます。下のパネルが 表示されない場合は、有効なパーツが選ばれていません。ドロップダウンから選ぶか、 新しく追加してください。
4. 最初の形状を作る¶
Create パネルを開いて Box を押します。
ビューポートに直方体が現れ、同時に Feature Tree(形状の履歴)パネルにも 項目が1つ増えます。この2つは同じものの別の見え方です。ビューポートは計算結果を、 Feature Tree はその結果を作った手順を表示しています。
Create パネルは行ごとに種類が分かれています。
| 行 | 内容 |
|---|---|
| ソリッド | Box, Cyl, Sph, Cone, Torus |
| 曲線・プロファイル | Curv, Plin, Arc, Surf, Slot, Poly, Gear, Helix, Rev |
| スイープ形状 | Sweep, Loft |
| グループ化 | Group ( , Group ) |
| スケッチ | Start Sketch, on Face |
5. 後から編集できる — ここが本題¶
Feature Tree の中の Box の項目をクリックします。下の Active Property Editor(プロパティ編集)パネルに、そのパラメータが出ます。幅を変えてみて ください。
形状が作り直されます。何も壊れていないので、何度でも変更できます。
これがこのアドオンで言う「ノンデストラクティブ」で、Blender 標準のモデリング 機能ではなくこちらを使う一番の理由です。20 手前に作った直方体が、今も寸法を 編集できる直方体のままです。
形状を直接動かすこともできます。ビューポートでプロキシを選び、いつもどおり G / R / S を使ってください。形状がリアルタイムに 追従します。
6. 穴を開ける¶
- Cyl を押して円柱を追加する
- 直方体を貫通する位置に動かす
- Active Property Editor で、その円柱のブーリアン演算を「引く」に設定する
Feature Tree は上から下へ順に評価されるので、円柱はそれより上にあるすべてから 引かれます。順序に意味があります。これはレイヤーの重ね順ではなく、履歴です。
7. 角を丸める¶
- Modify & Pattern を開いて Fillet を押す
- 選択モードが自動で始まり、稜線を選ぶ状態になっている
- ビューポートで対象の稜線をクリックする(オレンジになって選択が残ります)
- Active Property Editor で半径を決める
先にモディファイアを足してから選びます。選択は Fillet の中に記録される ので、Fillet が無いと置き場所がありません。通常の形状をアクティブにしたまま 選択モードでクリックしても何も選ばれません(黙って捨てずに、その旨を 表示するようになりました)。
ヒント:選択モード中に Alt を押し続けると、モードを抜けずに 通常の Blender ギズモを使えます。Shift+クリックで選択を追加できます。
Chamf(面取り)も同じ手順で、丸めるかわりに平らに削ります。
8. 品質と速度を調整する¶
Quality & Export パネルは、カーネルの計算結果を表示用メッシュに変換する 細かさを決めます。
- Linear / Curvature — 表示用の分割の細かさ。値を小さくすると細かく、 そのぶん重くなります
- Fast Modifier Preview / Live Boolean Preview — ドラッグ中の応答性と 引き換えに、正確さを落とします。プレビューがおかしく見えるときは切って ください。確定後の結果は常に正確に計算されます
- Use High Quality Bake — ベイク時にだけ使われる、別系統の細かい設定。 表示は粗いままで作業しつつ、出力だけ細かくできます
9. 履歴を巻き戻す¶
Feature Tree の各行の右端にピンのアイコンがあります。ある行にピンを刺すと、 そこまでで評価が止まり、それ以降はグレーアウトして無視されます。
途中の状態を確認したいときや、履歴の前のほうを編集するあいだ全体の反応を保ちたい ときに使います。ピンを外すと全体の評価に戻ります。
なお、新しい操作は常にツリーの末尾に追加され、ピンの位置には入りません。 ピンを刺したまま形状を作ると、ピンより下に置かれて評価されないため、 何も起きなかったように見えます。
10. 結果を書き出す¶
目的が違う2つの方法があります。
Bake to Mesh(Quality & Export > Bake to Mesh)は、パーツを通常の Blender
メッシュに変換します。レンダリング、スカルプト、その他 Blender のジオメトリを
必要とする用途はこちらです。レンダリング用なら、先に Use High Quality Bake
を有効にしてください。
Export STEP(Quality & Export > Export > STEP)は、他の CAD ソフトで使える
本物の B-Rep の STEP ファイル(AP214 IS)を書き出します。三角形近似ではなく、
厳密な曲面がそのまま保存されます。
スケール:書き出し時、1 Blender 単位 = 1 mm として出力されます。 10 単位の直方体は、FreeCAD や Fusion では 10 mm の直方体になります。寸法を 決めるときはこれを前提にしてください。
現在の STEP 書き出しには、パーツ名・色・アセンブリ構造は含まれません。 形状は正確ですが、それ以外の情報は入っていません。
次に読むもの¶
- Import STEP / Import SVG — 外部の形状を履歴に取り込む
- Start Sketch — 平面や既存の面の上に、拘束つきの2Dプロファイルを描く
- Modify & Pattern — Mirror(鏡像)、Array(配列)、Circ(円形配列)、 Link(リンク複製)
- Cleanup (Unify) — 同一平面上の面を統合します。意図的に手動操作に してあり、自動では適用されません。面を統合すると、フィレットやオフセットが 参照している面の識別情報が失われるためです
うまくいかないとき¶
Seamless タブに、ワークスペースのパネルより下が出てこない 有効なパーツコレクションが選ばれていません。Active CAD Workspace の ドロップダウンから選ぶか、Add New CAD Part を押してください。
Hide Occluded Edges がグレーアウトして押せない これは仕様です。面が深度を書き込むのは「WGPU オーバーレイが OFF」かつ 「不透明」のときだけで、それ以外の条件ではこの設定は効きません。押せるのに 何も起きない状態を避けるため、あえて無効化しています。
ドラッグ中は形状が変だが、離すと正しくなる 高速プレビューによるものです。常に正確な結果を見たい場合は、Fast Modifier Preview と Live Boolean Preview を切ってください。
編集しても結果が更新されない Modify & Pattern > Topology の更新アイコンを押すと、強制的に再計算されます。